ずいぶん前に足回りに不良箇所がありお預かりしたランクル80
駐車場へ動かす間に気になるビビリ音が聞こえる
インパネ付近を手で押さえてみるけれど音は変わらず
目の前を押さえると音は止まった
今までにもよくある社外ステアリングの取付不良
最初から装着された状態でランクルを購入した場合などは
特に意識が少なくなるので注意が必要です
ステアリングやボスなどに付属する六角レンチでは役不足なので
完全な作業が出来る工具を選んでから作業をしたい重要な場所
センターのリテーナーを押さえると音が消える
締付不足によるアルミプレート同士のビビリ音が発生していた
問題のボルト、よく見れば浮いていて
ステアリングを捏ねれば隙間がよく分かる
全部のボルトを最適な工具でしっかりと締め付けると
完全に音は消えてステアリングの揺れも無くなった
次に足回りの点検で、まずは試走を行ってみた
スピードが低い時はそんなに違和感が無いけれど
高くなるにつれてどこに向いて走るか分からない
ステアリングは持っていても平気で対向車線にすっ飛んで行く
または左側の歩道やガードレールに当たりそうになる
高速道などの移動は恐怖を超えて無理だとしか言えない
6インチ程のリフトアップをしているから色々と対策されているように見えるけれど
このフロントの足回りに問題がすべてある
リフトアップの補正という言葉をよく聞くけれど
一般的に売られているパーツを付ける行為は
単純に物理的な対策だけである
当たるから伸ばす、届かないから伸ばす、ズレるから調整するなど
単につじつまを合わすだけなので、最低限必要な構成部品でしか無く
決して補正とは呼べないのが現実である
補正とは正常な操縦性や安定性、安全性を確保するために
最適な車を作ること自体にあるはず
バネ付きのダンパーはステアリングがセンターに戻る事には
大きくメリットはあるけれどハンドルのブレは取れる構造ではない
バネが付く度にダンパーが必要になるのは機械の性質なので
問題が発生している車からは真っ先に取り外す
今回はロッドエンドのガタもあるし
S字ドラックリンクの締め付け不良も大きな原因
見た目に騙されずに点検は行いたい
以前から慢性的なナットの締付不良が行っていたように見える
S字ドラックリンクの場合はこのナットの締付不良が
とんでもないステアリングのガタとなる
その上に助手席側のエンドは特にガタが大きい
一見すると普通に見えるけれど
取り外してブーツを取れば中はグリスはゼロで
サビもありガタガタで隙間だらけだった
このフロント足回りで今まで車検をパスして来たことが謎でもある
車が真っ直ぐ走らないのはリフトアップしたからではなく
構造的にも正しく製作されておらず
メンテンスが出来ていない車の見極めにあります
そして試走しての状態が反映されていないのが最大の問題でしょう
色んな内容の問い合わせがあるけれど構造的な問題には販売店ではなく
昔から続いている通称四駆ショップへ行けば直るはずです